生きがいを見つけたいのなら、仕事こそがそうあるべきだろう。
若い頃の私なら、そう思ったに違いない。1日の1/3以上、ややもすると半分以上の時間を仕事に費やしているのだ。それが生きがいであるべきだし、またそれを目指して然るべきだと。実際そう思っていたから、好きなことを仕事にしようと頑張ったし、そうじゃないときも目標のために頑張った。
けれど、頑張ることが体力的にキツくなる年齢になると絶対だったその考えが変わった。仕事は「生きがいという目標」から「収入を得るための手段」になり、手段として重視するは体力と時間の温存値になった。体力的に無理はないか、余暇は充分にあるか。働けなくなったときのことが頭をよぎったとき、仕事に対する価値観も変わった。
現在は、体力的にも時間的にも余裕のある仕事をしている。その分、給与や仕事のやり甲斐は減ったが、替わりに節約&趣味充実で満足度はそれなりにある。
しかし、どちらが幸せなのかと聞かれると正直判らない。がむしゃらに働いていた頃は、休む暇もなく人生に悩む余裕もなかった。余暇を手に入れた今は暇さえあれば悩んでいる。最近は特に、物価高や不穏な社会情勢などで将来への不安が募るばかりだ。そんなに悩むのならやはり、四の五の言わずひたすら働くべきなのかとも思う。
何者にもなれず、ただ悶々と歳だけをとっている。