昔から憧れていた職業に小説家がある。小さい頃から本の世界が大好きで、その世界に24時間365日居続けるにはどうしたらよいか考えた結果、作る側に行けばいいと思ったからだ。その夢が高じて、今は、趣味で2次創作の小説を書いている。
先日、その自分の作品をweb上で公開するイベントに参加した。同じジャンルの2次創作をしている作家達があつまって、それぞれ自分の作品を公開し、同士の人たちに見てもらうというweb上のイベントである。
これがとても楽しい。漫画やイラスト、小説など、いろんな方のいろんな作品を堪能できてまさにワンダーランド。そして、自分の作品も展示した場合、それにコメントをもらえるかもしれないという“夢”がついてくる。
そもそも趣味の創作活動というのは、自分がその世界に没頭したいからやるのであって他人サマから評価をもらうためにやっているのではない。しかし長らく創作活動をしていると、誰かに見てもらいたいという欲が出てくる。私の場合、それは、この楽しい世界をその誰かと共有してもっと楽しくなりたい! という欲だ。だから「面白かったです!」「良かったです!」という感想をもらえると、その人の感情も相乗効果となり楽しさ倍増になるのだ。(あくまでも私の場合)。そんな“夢”がイベント参加にはついてくるのである。
しかし、逆もある。誰からも反応がもらえなかったときだ。これは“悪夢”である。作家としてイベントに出ること自体、誰かに見てもらうことが目的だ。反応がゼロということは誰にも見てもらえなかった可能性があるわけで、これは非常に辛い。筆を折るか引きこもるかの事態である。だからイベントに出るのはものすごく勇気がいる。
けれど、そんな心理的リスクを負ってでもやはりイベントには出たい。コメントをもらえたときの嬉しさと、その先にあるワクワク感はプライスレスだからだ。他人からの前向きな評価は気分を上げ、創作意欲がかきたてられ、結果として自分のなかの楽しい世界がもっともっと広がっていく。
先日参加したイベントでも、大変ありがたいことに感想を書いてくれた方がいた。とても嬉しかった。
生きがいと言うには大げさなのかもしれない。けれども、仕事での昇格や昇給で得る感情とは全く違う喜びが、ここには確かにあるのだ。